情報マガジン『WAY』

エー・アンド・デイ情報マガジン『WAY』

VOL.3 2016.SEPTEMBER 昭和大学薬学部 薬剤学研究室様

ユージングシーン
音叉振動式粘度計SV-A

音叉振動式粘度計SV-A 製品画像

どなたでも適切な“とろみ”をつくれるように。
「飲みやすい薬」の研究のために、懸濁液(注1) の粘度を測りたい!

昭和大学薬学部 薬剤学研究室様にインタビュー

超高齢社会に突入した日本。医療や介護のさまざまな課題に直面しています。
嚥下(注2)が困難な高齢者には、薬剤のスムーズな服用がむずかしい場合もあります。

「至誠一貫」の建学精神のもと、医歯薬に加え看護・リハビリ系の保健医療学部の4学部を有する医系総合大学の一翼として、「飲みやすい薬」を研究されている昭和大学薬学部の原田努准教授。
誤嚥(注3)リスクの少ないゼリー状の服用補助食品の研究にA&Dの音叉振動式粘度計をご採用いただいているとのことで、お話を伺いました。

インタビューいただいた昭和大学薬学部 薬剤学研究室様の画像

昭和大学薬学部 薬剤学研究室様
左:
昭和大学薬学部 薬物療法学講座
薬剤学部門 准教授 博士(薬学)
原田 努様
右:
薬学部4年生
吉江 香菜子様

薬効を高めることと同じくらい、飲みやすい薬をつくることが薬学の使命。

インタビュアー 先生が「飲みやすい薬」の研究を始められたきっかけを教えてください。
原田先生 日本では、患者さんの医師から処方された慢性疾患の服薬遵守率が 50%程度ではないかと言われています。薬局で購入した薬の半分は用法通りに飲まれず、自宅で菓子缶などにしまい込まれているということです。これは、インターネットやメディアで誤った情報が流れ、患者さんが間違った自己判断をしていることも考えられますが、薬が苦かったり、飲みにくかったりすることも原因になっています。
インタビュアー 50%というのは、驚きの数字だと思いますが…。
原田先生 私は薬効を高めることと同じくらい、飲みやすい薬をつくることが薬学の使命だと考えています。特に高齢者や小さなお子さんに対しては、錠剤や粉末の薬ではなく、とろみのある半固形の薬剤が適しています。
インタビュアー すでに、そういうお薬がありますよね?
吉江さん そうですね。薬自体がゼリー剤という製品はまだまだ少ないですが、スティックに入っているとろみ剤をお湯や水に溶かして、懸濁した錠剤やカブセルをゼリー状に調製(注4) する場合があり、最近は介護の現場で服用補助にかなり使われるようになっているようです。ただし、適切なとろみをつくるのは結構むずかしくて、使い方によっては薬効を損なう場合もあるんです。
インタビュアー きれいなとろみがつくれないと、薬が効かなくなることもあるんですか?
吉江さん 期待通りのとろみにならず、サラサラと水のようになったり、俗に「ダマになる」といいますが、タピオカみたいなツブツブが残る場合があります。そうなることによって、薬の効き目が半分以下、ひどい場合は 20%くらいまで低下するリスクがあることを、研究で明らかにしているところです。こういうことって、意外と薬剤師さんにもあまり知られていないみたいなんです。

回転粘度計(注5) では懸濁液など分散系の低粘度の計測は困難。音叉振動式(注6) ならバッチリ!

インタビュアー 期待通りのとろみをつくるために、どのような配慮が必要でしょうか?
原田先生 適切なとろみをつくるためには、とろみ剤の濃度や温度の調整・管理がキーポイントです。私たちの試験では、循環水ジャケットで人間の体温と同じくらいの37℃にしたり、室温に近い20℃に設定します。A&Dさんの音叉振動式粘度計SV-Aは、従来の回転式に比べてこの温度調整・管理が容易なので、試験時間が短縮できて助かっています。
吉江さん 測ろうとするサンプルは、ドロドロした部分と水分が不均一になっています。そのため、回転式では計測中に回転が安定しないので、正確な計測が困難でした。その点、音叉振動式は瞬時に粘度が測れるところにアドバンテージがあると思います。
原田先生 薬の懸濁液の粘度測定を回転式でいろいろ試した結果、不均一な分散系サンプルの粘度測定、特に低粘度は無理なんだなぁ…とあきらめかけていました。ところが、A&Dさんの音叉振動式のSV-Aを使うことにより、従来は計測できなかった低粘度の懸濁液のわずかな差を数値化できました。私は医療者や介護者に「こういう方法なら安心して服用していただけますよ」という情報提供をしていくうえで、数値でお知らせすることが大切だと思っています。
インタビュアー どのように情報提供されているのでしょうか?
吉江さん とろみと一言でいっても、例えばジャム状とかヨーグルト状とか、そういう感覚的な違いを数値で表現することで、医療者や介護者にわかりやすく、患者さんに安心して投薬していただけると思っています。
原田先生 専門家ではなく、医療・介護の現場にいるどなたでも、いちいち細かいことを気にしなくても手軽に適切なとろみをつくることができるように、というのがこの研究の最終的な目標です。
吉江さん 入学したころは漠然と「薬剤師になりたい!」と思っていましたが、この研究にたずさわらせていただいて、ただでさえ辛い思いをされている患者さんに、よりやさしいお薬が届くようにがんばりたいという気持ちになりました。原田先生のおかげですね(笑)。

一番測りたいのは「幸せ度」。例えば、痛みの程度を数値化できたら良いですね。

原田先生 これからますます人工知能やロボットが使われる時代になっていきます。そういうなかで、人間は何をするのか?人間が喜ぶことは人間にしかわからない。その喜びの程度を測り、数値化して人工知能やロボットにインプットすれば、それらを人間のためにより良いツールとして使うことができる。私が一番測りたいのは人間の幸せ感なのです。
吉江さん 例えば、痛みの程度が数値化できたら良いですね。痛みを取るということは、人間の幸せに直結していますので。
原田先生 A&Dさんが計測機器のフロンティアとして、幸せ度を測ることができる機器を開発されたらいかがでしょうか?(笑)
インタビュアー 本日は貴重なお話をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。

(聞き手:株式会社エー・アンド・デイ 販売促進部)

お客様情報

昭和大学薬学部 薬剤学研究室
所在地
東京都品川区旗の台1丁目5-8
大学設置
1946年
薬学部創設
1964年
薬学部在学生数
1,183名(2016年5月1日現在)
昭和大学の外観画像

お使いいただいているA&D製品

音叉振動式 SV型粘度計 SV-Aシリーズ ★特許取得★
  • 2mℓから測定可能(SV-1A)
  • 耐侵食性の強い振動子(チタン製)
  • スタンドセット(X-Y-Z ステージ付計量部固定スタンド)標準付属
  • WinCT-Viscosity(標準添付)、USB接続可能
  • 各種容器標準付属(サンプル容器、ガラス容器、循環水ジャケット)

※機種によって付属品が異なります。

音叉振動式 SV型粘度計 SV-Aシリーズの製品画像
電動マイクロピペット MPAシリーズ
  • 10μL~10mL
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