情報マガジン『WAY』

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VOL.19 2019.MARCH キリン株式会社 R&D本部 酒類技術研究所様

ユージングシーン
音叉型振動式粘度計 SV-10

音叉型振動式粘度計 SV-10 製品画像

テクスチャー(食感)の評価は、おいしさを決める重要な要素。
機器の測定値と人の感覚を紐づけることができれば、客観的な商品設計ができます。

キリン株式会社 R&D本部 酒類技術研究所様にインタビュー

ビール類やRTD(Ready to Drink)を中心としたキリングループ様の酒類事業に資する基幹技術の開発・評価を行い、新たな価値の創造につながる新規技術や新商品開発のための技術シーズの創出を推進していらっしゃる酒類技術研究所様。
アルコール飲料の商品化のための基礎研究に、A&D製の音叉型振動式粘度計「SVシリーズ」をご採用いただいています。

インタビューいただいたキリン株式会社様の画像

キリン株式会社
R&D 本部 酒類技術研究所
主任研究員
小田井 英陽様

テクスチャー(食感)は、食品のおいしさの約30%を占めるといわれています。

インタビュアー おいしさを決める要素として、テクスチャーの重要性が高まっているそうですね。
小田井様 食品や飲料のおいしさを左右するのは、味・香りなどいろいろな要素がありますが、テクスチャーも重要です。食品においてはおいしさの30%を占めるといわれているくらいです。
日本語のテクスチャー用語は445語もあり、外国語よりもはるかに多いといわれています。それだけ、日本人がテクスチャーに対して敏感で繊細ということだと思います。
インタビュアー 飲料のテクスチャーについて、どのような研究をしていらっしゃいますか?
小田井様 飲料は咀嚼動作が必要ではないこと、口の中での滞留時間が短いことなどから、おいしさやテクスチャーの重要性は食品に比べるとやや落ちますが、ビールやワインなどのアルコール飲料では「のどごし」「口当たり」などテクスチャーに関する評価項目も重要視されていて、客観的な測定方法が検討されつつあります。
液体の粘性に関わる物性値として「粘度」は外せませんが、香味物質が粘性に与える変化についての研究は数少なく、飲料、特にアルコール飲料での検討はほとんど報告されていないのが現状です。
そこで、基礎的な知見を得るために、アルコール飲料における粘性の官能評価や嗜好に対する影響、および各種物性値を用いた予測手法の検討を行いました。

音叉型振動式粘度計は、他の粘度計を凌駕しています。

インタビュアー 液体の粘度測定については、JISが制定されていますね。
小田井様 JIS Z 8803「液体の粘度・測定方法」に6種類の粘度計が記載されています。この6種類のうち、安価なB型回転粘度計が多用されていますが、1つの治具で測定できる粘度範囲が狭い、異なる治具でのデータを比較できない、などの使いづらさを感じていました。
一方、音叉型振動式粘度計は、特に低粘度領域の粘度が測定でき、また再現性が高く、取り扱いが簡便で、さらにコストパフォーマンスも高いので、他の粘度計を凌駕しています。音叉型振動式粘度計は世界でA&Dさん1社の独自技術なのだそうですね。
インタビュアー ありがとうございます。お役に立っているようで嬉しいです。
小田井様 音叉型振動式粘度計は他の機械で得られるせん断粘度や動粘度とは異なる粘度が測定できますので、特に低粘度物質の評価のためにはうってつけだと思います。
今回の研究において、測定した各物性値と官能評価による粘度スコアとの相関分析を行っていますが、簡便で精度がよい音叉型振動式粘度計がとても役に立ちました。
広い粘度範囲では、A&DさんのSV-10単独でもよい相関関数が得られています。
インタビュアー 音叉型振動式粘度計との出会いは、どのようなきっかけだったのでしょうか?
小田井様 私はインターネットで検索して知りましたが、社内で確認したら、当研究所の以前の在籍者が10年以上前に焼酎の「もろみ」の粘度を調べるために購入していたことがわかりました。改めて使ってみて期待以上の結果が出ましたので、今後も使い続けたいと思っています。

“飲み応え”のある酎ハイをつくりたい。味の厚みをどう定義して、どう評価するか。

インタビュアー 今後はどのような研究を計画していらっしゃいますか?
小田井様 酎ハイは甘くて食事には合わないというイメージを持たれている方に、おいしいと思っていただける酎ハイをつくるための基礎研究を行っています。
この研究により、酎ハイの果実感を味わうことができる、“飲み応え”のある酎ハイをつくりたいと思っています。
ただ単に味を強くしたり、アルコール度を上げるのではなく、「コク」や「ボディ感」のような味の厚みをどう定義して、どう評価していくのかを検討中です。
インタビュアー おいしそうな研究ですね。A&Dの機器もお役に立ちたいと思います。
小田井様 この研究にも、音叉型振動式粘度計を使っていますよ(笑)。
この研究は介護食など健康機能素材の研究にも発展できますので、今後、キリングループとして食品と医療をつなぐ新規事業に発展させることができれば嬉しいですね。
インタビュアー 本日は貴重なお話をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。お話を伺っているだけで、おいしい気持ちになりました(笑)。
小田井様 当研究所の隣にある横浜工場で工場見学ができます。つくりたての一番搾りも試飲できますし、レストランもありますので、ゆっくりして行ってください(笑)。

(聞き手:株式会社エー・アンド・デイ 販売促進部)

お客様情報

キリンホールディングス株式会社
本社所在地
東京都中野区中野4-10-2 中野セントラルパークサウス
設立
1907(明治40)年2月23日
資本金
102,045,793,357円
従業員数
31,033人(連結/2018年3月29日現在)
キリン株式会社
設立
2013(平成25)年1月1日
株主
キリンホールディングス株式会社(100%)
酒類技術研究所
神奈川県横浜市生麦1-17-1
キリンホールディングス株式会社の外観画像

お使いいただいているA&D製品

JCSS校正対象機器 音叉型振動式粘度計 SVシリーズ JIS Z 8803
  • 極低粘度領域(0.3mPa・s)から高粘度(10,000mPa・s)までの広範囲を連続的に測定可能
  • 途中でセンサ部を交換する必要がないので、ゾルからゲル化するまでの測定が可能
  • 測定間隔を自由に設定可能で、連続24時間測定など、長時間の粘性変化も測定可能
音叉型振動式粘度計 SVシリーズの製品画像