電子天びん使用時の注意点

3. 静電気の影響 (静電気<帯電物>による計量値のバラツキ)

A)静電気の影響

帯電物は、静電誘導により周囲の物に逆符号の電荷を発生させ、電荷どうしのクーロン力が質量計測の誤差となって表れます。静電気は時間と共に空気や計量皿などに逃げていくため、計量値が変動する現象となります。

帯電物が近付くと、周りの物体に帯電物と反対の電気が発生し帯電物と引き合うようになります。

静電気の影響

乾燥して低湿度となった冬場には、帯電した作業員が天びんに近付いても同様の静電誘導が原因となり、計量値がドリフトする可能性があります。A&Dの分析用電子天びん(GHシリーズ、GRシリーズ、HR-iシリーズ)では、ガラス風防の表面に金属薄膜が設定されており、人体等の帯電対策を行っています。 樹脂製の風防も、帯電防止剤を塗布して対策しています。

B)静電気の発生

  • 接触帯電:2つの物質が接触するとき
  • 摩擦帯電:物質どうしをすり合わせたとき
  • はく離帯電:接触したモノを剥がしたとき
  • 衝突帯電:物質と物質がぶつかったとき
  • 帯電しやすい物:
    樹脂製品、ガラス、粉、フィルム、紙などの絶縁物
  • 帯電しやすい場所:
    ベルトコンベアや動きのある製造ライン、乾燥した場所

一般に湿度が45%RH以上では、帯電しないといわれていますが、 実際は、製造ラインやコンベアなど摩擦の起きている場所は絶えず静電気が発生しています。

C)静電気の対策

対策は、除電と遮蔽(シールド)です。

  • AD-1683(除電器)で、除電する
  • 帯電物を金属製の風袋で囲んでシールドしてしまう
  • 帯電防止剤を塗布する
  • 湿度を上げる(少なくとも45%RH以上)

AD-1684(静電気測定器)により発生場所のチェックを行えば、より有効な対策を行うことができます

静電気の対策イメージ画像

D)静電気のによるトラブルの実例

具体例1

AD-4212A-200を2次電池の製造ラインで使用。
樹脂製(PEEK材)冶具とステンレス製の2次電池が摩擦し静電気が発生し計量値が安定せず問題となった。
AD-1683(除電器)を計量部付近に設置して問題が解決した。

具体例2

AD-4212A-100をクリームハンダの塗布ラインで使用。
一定時間ごとに計量皿にハンダを塗布して、吐出量を確認。
計量部の近くに、客先で製作した樹脂製の風防があり帯電の影響で 値がばらついていた。
帯電の影響を説明して、AD-1683(除電器)を紹介した。

具体例3

GP-12Kを使用して樹脂部品の個数計量を行っている。
値が安定しない事があり、修理でも現象が改善しなかった。
建物の入口付近で、樹脂部品を、樹脂のボウルで計量していた。
ボウルの金属化、樹脂ボウルの回りにアルミホイルを巻く、帯電防止剤を使用する、AD-1683(除電器)を使用し積極的に除電する事を勧めた。