情報マガジン『WAY』

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VOL.34 2023.JULY 公立大学法人 前橋工科大学 環境・デザイン領域 准教授 三田村 輝章先生

ユージングシーン
A&D製 熱中症指数計
左から
AD-5687(みはりん坊W)
AD-5698(みはりん坊プロ)
AD-5686(環境温湿度計)

A&D製 熱中症指数計 左からAD-5687(みはりん坊W) AD-5698(みはりん坊プロ) AD-5686(環境温湿度計)

熱中症は“いま、ここにある危険”。
生命は経験やカンではなく、建築と熱中症指数計で守る。

公立大学法人 前橋工科大学 三田村 輝章准教授にインタビュー

三田村先生は、建物の熱・湿気・空気環境に関する現場実測のほか、
数値シミュレーションによる室内環境やエネルギー消費量の予測手法を用いた研究に取り組まれています。
その取り組みの一環として、住宅における熱中症発症リスク軽減のために、
A&D製の熱中症指数計に注目していただいています。

インタビューいただいた公立大学法人 前橋工科大学 環境 ・ デザイン領域 准教授 三田村 輝章先生の画像

公立大学法人 前橋工科大学
環境・デザイン領域
准教授 三田村 輝章先生

増え続ける熱中症の発生件数。実は最も多いのが「住宅の室内」。

インタビュアー 初夏を迎えるころから、毎日のように熱中症のニュースを耳にしますね。
三田村先生 地球温暖化の影響で、熱中症の発症件数が増加しています。熱中症は体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調整機能が働かなくなったりして、最悪の場合は死に至ることもあるおそろしい病気です。
最多となった2010年の1,731人以降、全国の年間死亡者数が1,000人を超えた年が5回もあります。
インタビュアー 熱中症は屋外でのスポーツや運動のときに発生しているイメージがあります。
三田村先生 学校の運動会などで大人数が熱中症を発症するとニュースになりやすいのですが、実は約60%が住宅の室内で発症しているのです。
インタビュアー なぜ住宅の室内での発症が多いのでしょうか?
三田村先生 室内で熱中症になる原因の一つとして「性能が低い家に住んでいること」が挙げられます。特に断熱性能が低いと太陽の日射による熱が室内に放射され、室温が上昇します。熱中症予防として「室内で過ごす」ことは決して安全とは言えず、家の性能によっては「最も注意すべき場所」になってしまいます。

危険を知ることが大切。温度だけではなく、湿度の管理が必要。

インタビュアー 最近は天気予報の中に「暑さ指数」という言葉が出てきますね。
三田村先生 暑さ指数は、人間の熱バランスに影響が大きい「気温」「湿度」「熱放射」の3つの要素を取り入れた温度で、熱中症の危険度を示す指標です。1954年に米国でWBGT(Wet-Bulb Globe Temperature)が提案され、1982年にISOにより国際基準として位置づけられました。この3つの要素のうち、室内では「気温」と「湿度」が重要です。
インタビュアー 熱中症予防のために、どのようなことに気をつければよいでしょうか?
三田村先生 暑さ指数を管理するためには、自分の体感だけに頼らず、温度と湿度の両方が測定できて、ブザー音などで危険を知らせてくれる熱中症指数計が有用だと考えています。
私は自宅でも大学の研究室でもA&Dさんの熱中症指数計を使用していますが、温度だけではなく湿度が測れる乾燥指数モードもあります。相対湿度(%)以外に空気中の水分量を表す絶対湿度(g/m3)も表示してくれるので、夏季の熱中症予防としてだけではなく、冬季の乾燥からくる季節性インフルエンザの予防にも役立つと考えています。
インタビュアー 当社の熱中症指数計をご採用になった理由を教えていただけますでしょうか。
三田村先生 A&Dさんの“はかる”技術の高さを信頼しています。また、労働現場などで使用される本格的な黒球タイプから、手ごろな価格帯の携帯型まで、用途に合わせて幅広いラインナップが揃っていることも魅力ですね。

今後、住宅の断熱性能の基準が上がり、住宅もカーボンニュートラル実現に向かいます。

インタビュアー 熱中症予防のために、建築的にはどのような取り組みがありますか?
三田村先生 建築的に住宅の性能として重要なのは高い断熱性と気密性ですが、日本の家づくりは「世界から30年は遅れている」と言われるくらい性能が低いのが現状です。しかし、近年の気候変動とカーボンニュートラル実現の機運があり、住宅の高性能化に向けた動きが大きく加速しています。
インタビュアー 2025年に住宅の省エネ基準が義務化されるそうですね。
三田村先生 住宅を高性能化するために、厚い断熱材や二重窓などの採用により建築コストが上がりますが、建築後の冷暖房コストを抑えることができます。また、健康な暮らしをスタンダードにしていくことで、医療費の削減も期待できます。自動車や家電がカーボンニュートラル実現に向けて進んでいるように、住宅もカーボンニュートラル実現に向かっているのです。
インタビュアー 本日は貴重なお話をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。

お客様情報

公立大学法人 前橋工科大学
所在地
群馬県前橋市上佐鳥町460番地1
大学の理念
自然と人との共生ならびに持続可能な循環型社会の構築に貢献する知的基盤の創造を推進することによって、文化的で健康な市民生活の実現に貢献し、地域と社会の発展と福祉に貢献する工学を追求する。
公立大学法人 前橋工科大学外観画像

お使いいただいているA&D製品

熱中症指数計/熱中症指数モニター
  • AD-5687(みはりん坊W)
    熱中症や季節性インフルエンザをダブル(W)でみはります。
    一年を通して温度や湿度をチェック、健康で快適な暮らし環境に。
    夏は熱中症指数(WBGT)のアラームをLEDランプ ・ ブザーでお知らせ。
    冬は乾燥指数(絶対湿度)の管理に。
AD-5687の製品画像
  • AD-5698(みはりん坊プロ)
    小型 ・ 軽量ながら黒球付きの熱中症指数(WBGT)モニター。
    任意に熱中症指数(WBGT)の上限値アラームの設定が可能。
    おまかせモードで自動アラームも可能。使用場所に合わせて、屋外でも屋内でも使用可能。フック穴にベルトを通して装着することもできます。
AD-5698の製品画像
  • AD-5686(環境温湿度計)
    温度 ・ 相対湿度の上限と下限アラームが設定可能。
    一年を通して温度や湿度をチェック、健康で快適な環境に。
    夏は熱中症指数(WBGT)の管理で、暑熱環境での生活やスポーツ、労働作業の熱中症の予防に。冬は乾燥指数(絶対湿度)の管理に。
AD-5686の製品画像