情報マガジン『WAY』

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VOL.13 2018.JULY 国立大学法人 和歌山大学 保健センター様

ユージングシーン
全自動血圧計
診之助Slim TM-2657

全自動血圧計 診之助Slim TM-2657 製品画像

健康診断をIT化して、学生も健診スタッフも大助かり。
健診時間と事後処理を大幅に短縮することができました。

国立大学法人 和歌山大学 保健センター様にインタビュー

毎年4月に約4,000名を対象に学生健診を実施していらっしゃる和歌山大学保健センター様。
学生健診は、学生が罹患した疾病の早期発見と迅速な対応により重症化を予防すること、感染症の蔓延を防ぐことなどのために重要であり、学校保健安全法で受診が義務付けられています。
和歌山大学保健センター様では、健診にITシステムを導入して、健診のスピーディ化と健診終了後のデータ処理期間の短縮化を実現されています。

インタビューいただいた国立大学法人 和歌山大学 保健センター様の画像

国立大学法人 和歌山大学 保健センター
右:
保健センター長/教授/医学博士
別所 寛人先生
左:
保健センター 保健師
西谷 崇様

ITシステム導入前は紙ベースで健診結果を集めて、時間をかけてデータ処理をしていました。

インタビュアー 2011年度から3か年計画で健診のITシステムを導入されたそうですね。
別所先生 最初は試験的な要素もありましたので、必要性を検討して、効果があると思われる部分から順に導入していきました。
西谷様 初年度は血圧、身長、体重、視力の検査をIT化しました。念のために以前と同じように紙ベースでの健診結果収集との併用でしたが、現在は紙は使っていません。
インタビュアー 受診者数が多いので、紙ベースでの結果収集は大変だったのではありませんか?
別所先生 毎年4月の第2週と第4週の月曜日から木曜日まで、延べ8日間で4,000名の健診を行っていますので、紙ベースでは健診に時間がかかり、必然的に待ち時間も長くなっていました。健診を補助するスタッフの人数も必要でしたし、健診終了後のデータ処理も人海戦術で処理していたというのが実態でしたね。
西谷様 IT化する前は、学生一人一人が血圧や体重、身長などを測定する都度、結果が印字された紙を台紙に貼りながら受診していました。大勢の学生が台紙を持って保健センター内に数珠つなぎのように並んでいたのです。最終的にその台紙を回収しますが、集めた台紙を学籍番号順に並べ替えるのも一苦労でした。
別所先生 健診結果のデータ入力は外注していましたが、コストがかかるだけではなく、やはり人がやることなので入力間違いのリスクも感じていましたが、IT化により解消できました。
西谷様 A&Dさんからご提案いただいた健診機器データ収集装置「AD-6903A」をアダプタとして使うことで、A&Dさんの医療機器だけではなく、視力計や尿検査装置まで一括して素早くデータ収集できることが決め手になりました。
別所先生 健診を補助するスタッフの人数を半減できたことも大きいですね。ただでさえ春先は多忙なのに、協力していただくのが申し訳なくて、心苦しく感じていましたので。

健康診断証明書までの発行期間が半減、健診結果に基づく事後指導も早く行えます。

インタビュアー IT化は、学生さんにとってもメリットがありましたか?
西谷様 それまで一人1時間くらいかかっていた健診が10~15分で終わるようになりました。健診の予約制の導入との相乗効果もあり、待ち時間はほぼゼロです。健診を受けやすくなったので、驚いている学生もいましたよ(笑)。一人あたりの時間が短縮されたので、総受診者数の枠が増えました。特に新入生の受診率は、ほぼ100%を達成しています。
別所先生 健診後に学生に対して健康診断証明書を発行していますが、以前は発行までの期間が1か月くらいかかっていたのに、いまでは2週間に短縮できています。5月の大型連休明けから教育実習や介護実習に行く学生は実習先から健康診断証明書の提出を求められることがありますし、就職活動で内定をいただく際にも必要なので、早く発行できるようになって喜んでもらえていますよ(笑)。
インタビュアー 健診終了後の取り組みについてはいかがでしょうか?
別所先生 健診結果が早く出ますので、これに基づく事後指導が早く行えるようになりました。本センターでは、学生健診で問題が見つかった場合には適切な指導と、必要に応じて医療機関の紹介を行っています。
西谷様 実は、学生においても肥満症対策が健康管理における重要な課題になっているのです。肥満症に対して早期に対応しない場合には、動脈硬化伸展による心臓・脳血管障害発症や肝機能異常の伸展による肝硬変や肝がん発症の危険性が高くなります。したがって継続的な減量指導が必要なので、スタッフみんなで「学生が訪問しやすい保健センター」の雰囲気づくりに気を配っています(笑)。
別所先生 問診票にメンタルに関することを記載する欄があります。和歌山大学は2016年にキャンパスライフサポートルーム(障がい学生支援部門)を設置し、保健センターと連携して学生のメンタルヘルスにも真剣に取り組んでいます。ここが和歌山大学の良いところの一つだと自負しています。メンタルヘルスも他の疾病と同じで、早期発見・早期介入・継続支援が大切ですね。

健康寿命を伸ばすために、西洋医学と東洋医学の有効活用が肝要です。

インタビュアー 今後の我が国の長寿社会について、先生のお考えをお聞かせください。
別所先生 現代の長寿社会を築くことができたのは西洋医学、特に感染症対策の賜物だと思いますが、これから健康寿命を伸ばすためには、東洋医学における先人の知恵や日常的なケアが肝要になると思います。東洋医学に『未病治』という言葉がありますが、これは病気になる前に養生することで健康な状態を維持するという意味です。
東洋医学の漢方薬は、自然界に存在する生薬を永年の経験に基づいて配合します。西洋医学が集団での治療効果から作成した標準的な治療を個人に適用するのに対して、東洋医学は個人に適した医療を提供する「個の医療」です。西洋医学と東洋医学、それぞれの長所に基づく医療を受けることにより、みなさんが長く活動的に暮らせる長寿社会を実現できると思います。
インタビュアー 本日は貴重なお話をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。

(聞き手:株式会社エー・アンド・デイ 販売促進部)

お客様情報

国立大学法人 和歌山大学 保健センター
所在地
和歌山県和歌山市栄谷930
開設
1980(昭和55)年10月1日
基本理念
学生・教職員の皆さんに健康で安全な大学生活、職場環境を提供すること

お使いいただいているA&D製品

健診機器データ収集装置 健診アダプタ AD-6903A

健診データをメモリ・送信
測定機器やID入力機器を最大6台まで接続

健診機器データ収集装置 健診アダプタ AD-6903Aの製品画像
データ収集アダプタ AD-6904A

受診者IDと測定値を紐づけてパソコンに送信
専用ソフトで【ID+測定値】をCSVファイルに生成し、保存

データ収集アダプタ AD-6904Aの製品画像
診之助Slim 全自動血圧計 TM-2657シリーズ

Bluetooth通信に対応 軽量・コンパクトを実現
不規則脈波を検知するIHB機能を内蔵

  • 認証番号:226AHBZX00016000
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全自動身長体重計 AD-6228A

健診データをメモリ・送信
測定機器やID入力機器を最大6台まで接続

全自動身長体重計 AD-6228Aの製品画像