11. 解説
11.1. 放射率
放射率とは、測定対象物の表面から放射される熱放射の理想的な状態と実際の状態との比率です。理想的な状態である 1に対し、実際の状態は0.95や0.5など低くなります。
放射率は、測定対象物の材質と表面状態で変化し、光沢があり、なめらかな表面ほど低くなり、測定時の誤差の要因となります。対処方法として、測定対象物の表面に黒体ペイントを塗ったり、黒体テープを貼る等の方法があります。ただし、ペイントやテープが目的とする温度に対して変質しない物を選ぶ必要があります。
参照
各物質の代表的な放射率は、「12. 放射率表(参考資料)」の表を参考にしてください。
11.2. 測定原理
本製品で使用されている赤外線放射温度測定は、測定対象物の物体表面から放射される赤外線を検知し、センサでその物体の温度に比例した赤外線を電気信号の強弱に変換して測定します。本製品に使用されているセンサは受動素子であり、電磁波や赤外線等を発信する物ではありません。
すべての物はその温度が絶対零度(-273.15°C)以上であれば、その温度に応じた電磁波を発しています。本製品はその内の赤外線として検出できる領域を用いて温度測定しています。
測定対象物の温度とその表面から放射される赤外線との割合が分かっているとき、非常に正確な温度測定ができるという特長があります。