情報マガジン『WAY』

エー・アンド・デイ情報マガジン『WAY』

VOL.7 2017.JUNE 日通NECロジスティクス株式会社様

ユージングシーン
データアクイジション装置
オムニエースⅢ RA2300A

データアクイジション装置 オムニエースⅢ RA2300A 製品画像

振動・圧縮・落下・衝撃…
厳格な包装貨物評価試験と包装材料評価試験を行うために。

日通NECロジスティクス株式会社 包装試験センター様にインタビュー

ICT業界の先端ロジスティクス企業の日通NECロジスティクス株式会社様。
同社の信頼構築のバックボーンである包装試験センター様は、包装貨物・包装材料試験をはじめ、製品そのものの強度測定も行っていらっしゃいます。
充実した試験設備により、製品や包装が、保管や輸送時に受ける外力と耐性を評価。
それらの各種試験データの記録・収録に、A&D製のデータアクイジション装置『オムニエースⅢ』が採用されています。

インタビューいただいた日通NECロジスティクス株式会社様の画像

日通NECロジスティクス株式会社
左から
物流技術部 包装技術グループ
グループマネージャー
佐々木 佳之 様
主任
五十嵐 修 様
マネージャー
石渡 和重 様

国内で5社しかないISTA認定試験所(注1) 。国際連合の危険物容器試験所の指定も

インタビュアー ISTA認定について教えてください。
佐々木様 国際安全輸送協会による ISTA認定は、弊社も含めて国内で5社が受けています。認定を受ける主な条件は、各種試験設備を有していることと、その設備を使用するオペレータの技能でした。国際安全輸送協会の本部は米国のミシガン州にあります。認定のために日本に来ていただけるわけではありませんので、試験状況をビデオ撮影して送り、2008年に認定を受けることができました。
石渡様 米国では「ISTA認定試験所で合格してから出荷してくれ」というお客様が増えていると聞いています。特に医療機器や事務複合機は、大半がそういうニーズになっているようです。
五十嵐様 ISTAマークを表示した貨物は一定以上の輸送強度であることが証明できますので、貨物がダメージを受けた際に、保険交渉が有利に進められるメリットもあります。
インタビュアー UN(国際連合)危険物容器指定も受けていらっしゃるそうですね。
五十嵐様 2016年にUN指定試験所になりました。爆発物や毒物などを航空輸送や海上輸送する場合、包装容器の性能試験が義務づけられています。UN指定試験所の弊社で性能試験(日本舶用品検定協会立会)をして合格すると、その証として危険物容器検査証が交付されます。
石渡様 また弊社では、ISO9001に沿って品質管理された環境で、梱包する製品ごとに、梱包箱や緩衝材など包装材料の設計→試作→評価を一貫して行っています。
佐々木様 包装は製品の安全性確保、また効率的で確実な輸送や保管を行うために、ロジスティクスには欠くことができない重要な役割を担っています。弊社は長年培ったノウハウを活用し、お客様の包装に関するさまざまなニーズにお応えするため、コンサルティングから設計、販売までのトータルなソリューションをご提供しています。

誰でも・現場で・すぐ測定。すべての試験にオムニエースⅢを使っています。

インタビュアー ハイレベルな認定を受けていらっしゃるだけあって、かなり多くの試験設備が並んでいますね。
石渡様 大きく分けると2タイプあります。梱包状態で測定する包装貨物試験機と、包装材料そのものを測定する材料試験機です。包装貨物試験機では振動、圧縮、落下、衝撃などを試験しています。材料試験では引張・圧縮試験機やリングクラッシュ試験機(注2) などを使って対応しています。
五十嵐様 最近は精密機器など、梱包しない状態の製品そのものの測定を依頼されるケースも増えています。たとえば使用中に地震で故障しないかなど、製品の使用環境に対する振動、衝撃試験などを依頼されています。
石渡様 他にも、大型重量貨物において列車連結時の貨物相互衝突や、トラックの急発進・急停車時に起こる水平衝撃を評価する試験機もあります。
佐々木様 これらすべての試験機にデータアクイジション装置のオムニエースⅢを使っています。一番古いモデルは 18年前から使っていますが、故障したことはありません。ずっと信頼して使わせていただいています。
インタビュアー ありがとうございます。オムニエースⅢの使い心地はいかがでしょうか?
五十嵐様 試験機ごとに計測機器が異なると試験自体も大変ですし、データの管理も困難になります。その点、オムニエースⅢはそれぞれの試験機の試験設定条件を登録しておけば、他の試験機に移してもすぐに使えます。
汎用性が高く、まさに“あれもこれもオムニエースⅢ”です。こんなに使いやすいアクイジション装置は他にないと思います。
石渡様 オムニエースⅢは、測定の専門家でなくても使えます。極端かもしれませんが、取扱説明書も斜め読み程度でよいかもしれません(笑)。
五十嵐様 最近はデータをパソコンに取り込むことが多くなりましたが、その場ですぐに測定波形データを記録紙に出力して、多人数で確認できることも、現場的に大きなメリットだといえます。

製品にやさしく、環境にもやさしい、時代に適合した包装を追求しています。

インタビュアー 2013年に会社名が変わりましたね。
佐々木様 NECと日本通運による当社の合弁会社化にともない、今の『日通NECロジスティクス株式会社』に変わりました。NECのSCM(注3) 改革を通じて蓄積した実践的なノウハウと、日本通運グループの持つインフラやグローバルネットワークを組み合わせて、お客様と一体となってサプライチェーン全体の最適化を実現したいと考えています。
石渡様 そのために、われわれ包装試験センターとしては各種の試験設備で厳格な試験を行い、正確な計測データを記録・収録する必要があります。そして試験によって得た計測データを基に最適な包装をお客様に提案し、信頼していただくことがわれわれのミッションです。
五十嵐様 また、地球環境保全の視点に立ち、包装資材に使用する材料を環境に配慮したものに変更したり、包装資源のミニマム化など、最適な包装の設計に取り組んでいます。
インタビュアー 本日は貴重なお話をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。

(聞き手:株式会社エー・アンド・デイ 販売促進部)

お客様情報

日通NECロジスティクス
本社所在地
神奈川県川崎市中原区小杉町1-403
武蔵小杉STMビル
包装試験センター
東京都府中市分梅町3-59-1
設立年月日
1972年2月28日
代表者
代表取締役執行役員会長 秦 正彦
代表取締役執行役員社長 吉村 直樹
資本金
3億8,000万円
従業員数
2,325名(連結:2017年3月末)
医療法人社団NICO 習志野台整形外科内科の外観画像

お使いいただいているA&D製品

データアクイジション装置

“誰でも現場ですぐ測定” 新世代オムニエース:オムニエースⅢ RA2300A 16ch(最大)/ オムニエースⅢ RA2800A 32ch(最大)
  • 簡単ペンレコードモード搭載
  • ダイナミック波形の大画面表示
  • 長時間のHDレコーディング(100μsサンプル、16chで最大1.27日)
  • Ethernet、USBポート標準装備
  • 電圧・温度・ひずみ・振動・周波数(パルス)などの各種信号を直接入力可能な11種類のアンプを用意
オムニエースⅢ:RA2300A 16ch(最大)の製品画像
オムニエースⅢ:RA2800A 32ch(最大)の製品画像
R&Dからフィールドまで過酷な使用条件で威力を発揮!:オムニライトⅡ RM1100
  • 衝突や落下に強いコンパクトな耐Gボディ
  • 使用場所を選ばない防塵・防滴設計
  • 耐振設計により走行試験での連続測定可能
  • 耐温度性能により厳しい温度条件(低温-20℃、高温+60℃)にて使用可能
  • 最大8chの電圧・温度と8点のロジック信号を入力可能
オムニライトⅡ RM1100の製品画像

圧電式加速度変換器

SV1000/SV2000シリーズ
  • 広帯域・高感度
  • 波形の位相ひずみ無し
SV1301(3軸・小型)の製品画像